1日目

7時30分成城大学に集合、今回の夏合宿は一年生にとって初めての長期山行であり、不安な面持ちを見せるかと思ったが、皆今回の夏合宿に胸を膨らませながらバスに乗車した。また今回の夏合宿に向けて気合の入った準備をしてきた一年生もおり、大変心強かった。
 お昼過ぎ、初日の目的地である中房温泉に到着。この日は車での移動のみで、明日に備えて休む事となる。各班テントを張った後、3年生から下級生に対してランタンの使い方を教えてもらうこととなった、男子はランタンを使う機会が少なく使い方がわからない者も多く、そのためとても勉強となった一日であった。
 夜ご飯は二年生と一年生が中心となり用意をした。準備の最中突然の大雨となり、各テントで夜ご飯を準備することとなり慌ただしかったが、一年生男子担当のお米は今まで以上に美味しく炊くことができ、一、二年生女子が作った鳥そぼろと炒り卵も美味しく、これからの長い合宿に向けて英気を養うことが出来た。

2日目

天候は曇り、中房温泉から燕山荘へ向けての合戦尾根は北アルプス三大急登であり、各々緊張の面持ちで中房温泉を後にした、燕山荘へはテント場確保の為先発隊が組まれる事となった。先発隊はかなりのハイペースで登って行き予定よりもだいぶ早く到着することができ、先発隊の勇姿に皆驚いていた。
 中房温泉から燕山荘までは北アルプス三大急登ということもあり、体調不良者が出るかと懸念されたが、天候が曇りということもあり、皆無事に燕山荘まで辿り着く事ができ今回の夏合宿の一つ目の壁を乗り越える事ができたと言えるだろう。その後有志で燕岳に登ることとなったが花崗岩で出来た珍しい山体に皆心を踊らせていたが、下山途中雨に打たれ苦い思いをした者もいた。

3日目

昨日の曇りがうそのように晴れとても暑い日であった。
 燕山荘前で集合写真をとり本日の目的地である大天荘まで3時間40分と比較的短めの行程であったが、天候が晴れと言うこともあり、北アルプスの展望が素晴らしい稜線歩きが出来たと言える日であった、本合宿のメーンである槍ヶ岳がくっきりと見え、目標となる山を前に皆やる気が俄然湧いてきた。
 喜作レリーフという大天井岳付近の分岐点で天気はうって変わり曇り空となり、いわゆる「ガスってきた」という状態で周りの景色はあまり見ることができなかったが、皆無事に大天荘まで辿り着く事ができよかった。

4日目

本来の予定では朝に大天井岳に登り日の出を拝み殺生ヒュッテへ行くということだったが、予定を変更し大天井岳には登らずに殺生ヒュッテに向かう事になった。
 この日は槍ヶ岳へ続く東鎌尾根という所を通り、表銀座コース縦走のハイライトと言われている所箇所であるが、今まで見たことないような長さのハシゴを降りるなど、一歩間違えれば大惨事になりかねないようなルートである。
そんな東鎌尾根の水俣乗越付近になると急に雲がかかり雄大な槍ヶ岳が望めなくなってしまったのは残念であったが、皆無事怪我も無く殺生ヒュッテに辿り着く事ができた。

5日目

天候は晴れ。
いよいよ待ちに待った槍ヶ岳アタックの日である。過去幾度とも槍ヶ岳に登ることを天候等の理由で断念しているが、無事晴れて何よりである。
殺生ヒュッテにザックを置きサブザックでの山頂アタックとなる、日の出前に槍の穂先を登るのは危険と判断し槍ヶ岳山荘で日の出を見たあとの出発となった。
 槍ヶ岳の山頂までは登山者が多く渋滞していて止まっては進むの繰り返しであった。
槍ヶ岳の山頂は想像していたものより広かったが27名全員で山頂に立つことはできなかった、しかしながら山頂からの景色は格別であり、眼下に美しく広がる景色は一生ものと言っても過言ではないだろう。
 槍ヶ岳山荘前で写真を撮った後殺生ヒュッテに戻りテントを片付けこの日の目的地の横尾山荘に向かった。

6日目

長く辛かった夏合宿も最終日、横尾山荘から上高地を目指す。アルペンホテルで久しぶりの温泉に入り、疲れと汗と汚れをしっかりと落とし、各自家路についた。