7月山行② 蓼科山

1日目(7月14日)

「あれが蓼科山だ。雲がかかっていて天気わるそうだなぁ。」

という主将の弱気な発言を聞きながら私はバスの中でこれから登る蓼科山に思いをはせていた。慣れないバス泊のせいか寝不足の部員が多く、バスの中は殺伐としていた。しばらくすると登山口に到着し、登り始めていきなり見ただけで吐き気がしそうな急登が待ち受けていたが、隊全体が一丸となることで乗り切った。苦労してたどり着いた蓼科山の頂上は、一面岩で囲まれていてゴツゴツしており、今まで登ってきた山のなかでもトップクラスに広い山頂で、はしゃいで喜びを爆発させている部員も中にはいた。もちろん天気は快晴で展望もよく、晴れてよかったと私も胸をなでおろした。山頂を後にし、今回のテント場である双子池キャンプ場に着いたが、みんな猛暑のせいか着いた直後はグロッキー状態になっていた。そんな中一年生ががんばって初めて炊いたお米で作ったタコライスがほっぺが落ちるほどおいしく、ここは本当に山の中なのかと錯覚するほどだった。

 

2日目(7月15日)

みんなが口をそろえて言ったのは、1日目にメインの蓼科山に登ってしまうため、2日目のモチベーションが著しく落ちるとのことだった。しかし、天気は快晴で、2日目のメインである北横岳からの景色は美しく、昨日登った蓼科山も一望することができた。そこから雨池山を通過し、縞枯山、茶臼山へと下山したが、ここで衝撃の一報が主将のもとに入った。なんともう一つの7月山行である八ヶ岳組が撤退したというのだ。心のなかで八ヶ岳に行っている部員の無事を祈りつつ、無事に下山できるありがたみをあらためて感じた。そうして無事に大石峠を通過して、全行程を終えた。

夏合宿前最後の合宿だったが隊の雰囲気も良く、それぞれが夏合宿で向き合うべき課題を見つけることのできた充実した山行だったと思う。