1日目

 8月1日。ついに始まった夏合宿、と言っても初日は大学から貸切バスで松本駅に移動してそこでビバークという予定。部員は各々松本観光などをして明日から本格的に始まる山行の前のひと時を過ごしました。(野村)

2日目

常念岳テン場
常念岳テン場

  8月2日、この日から入山します。この日は一ノ沢登山口までバスで移動した後、常念小屋を目指します。道中は沢に沿って続く登り、初めのうちは楽しかった山道がだんだん憎らしくなっていったことを覚えています。途中の丸太橋を抜け、登山者の多い北アルプスらしくよく整備されているとても綺麗な階段を登り切ると最終水場に着きました。ここの水はとても冷たく疲れた体に染み渡るような美味しさでした。美味しい北アルプスの水を飲んだ後に待ち受けていたのが恐ろしい急登。残り何メートルかの看板が建っていましたがその間隔は永遠に続くのでは?と思う程長かったです。

 やっとの思いで常念小屋に着くと天気も少し晴れ、目の前には常念岳を見ることができました。天気予報ではその後の天気が良くないとのことだった為、予定を早めその日の内に常念岳へピストンをすることに。サブザックだし目の前に見えてるから…と思い登り始めた山頂への道は遠く、ガスも出て来て山頂での景色は残念ながらあまり良くありませんでした。小屋へ下りた後は夕食です。米を炊いてみんなで楽しく食べた後、明日へ備えて就寝しました。(野村)

3日目

 この日は常念小屋から大天荘を目指します。出発前にとても綺麗な朝日を見ることができ、この時は登ってよかったと思える瞬間の一つでした。大天荘までの道程は左手に槍ヶ岳を見ながらの稜線。これから登る稜線や槍ヶ岳を一望する事が出来きました。歩く程に近くなっていく槍ヶ岳の姿はまるで私達を待っているかのような荘厳な雰囲気を纏い、思わず武者震いが出るような威圧感を放っていました。

ヘリによる荷揚げ
ヘリによる荷揚げ

 稜線を歩き大天荘へ着くと、ちょうどヘリコプターによる荷揚げ作業が行われていて、間近で見る事ができとても迫力のある光景でした。ヘリの荷揚げを見届けた後はテントを幕営し大天井岳へピストンをして大天荘へ戻り、夕食までだいぶ時間が余ったため、各々が自由な時間を楽しみました。夕食は米の炊き方を教わった一年生が炊いてくれた美味しいお米を食べました。(野村)

4日目

 4日目となるこの日は東鎌峠という難所を超えなければなりませんでした。高低差は500mを超え、途中には急な岩場や鎖場、はたまた、手を放してしまったら死を覚悟しなければいけないような梯子があったりと、疲労を感じる中でも緊張感を保ち続けなければいけない日です。しかも天気は快晴。日光もとても強く、この日が1番過酷だったといっても過言ではありませんでした。

見上げた槍ヶ岳
見上げた槍ヶ岳

 そんな中、みんなで協力して全員無事に殺生ヒュッテにたどりつけたことは部として自慢できるところだと思います。荷分けに始まり、先輩方が水を多く持ってくださったり、行動食をわけあったりと、全員の気持ちが完走に向けて1つになった日でした。着々と迫ってくる槍ヶ岳は存在感が大きすぎて、明日の朝自分たちがあの槍のてっぺんにいるのかと思うと、信じられないような、信じたくないような、そんな気持ちでいっぱいでした。

 

 殺生ヒュッテに着いたときは、すでに16:00近く、明日に備えてペンネの夕飯を食べてすぐに眠りました。(神田)

5日目

槍ヶ岳山頂
槍ヶ岳山頂

 さて、いよいよ今合宿のメインディッシュがやってきました。2:00に起床し、しっかりと準備を整えていざ、槍ヶ岳へ向かいます。殺生ヒュッテから槍ヶ岳頂上山荘までは、サブザックということもあってかかなりスムーズに登ることができました。すでに標高は3,000m近く、高山病っぽい症状が出てしまった部員もいましたが、薬等でなんとか堪え、山頂を目指します。頂上山頂を出発した時はまだ太陽が昇っておらず、残念ながら日の出を見ることはできませんでした。

 そして、槍の穂先への挑戦です。基本的に山頂まで急な岩場が続きます。他の登山客の方からも指南を受けつつ、集中力を高めつつ、どんどん登っていきます。下を見ると双六岳から伸びる西鎌尾根が見えて、足がすくんでしまいそうでした。最後、2つの長い梯子を登りきると、突然視界が360度開けました。やっと、山頂です。天気も良く、2日目に登った常念岳も見え、最高の展望がそこには待っていました。足元を見ると、槍ヶ岳の影までもがはっきりと見えます。今までの道のりを思い返して、達成感に浸ったのは言うまでもありません。

 無事に槍ヶ岳への登頂を果たしたあとは、待ちに待った(?)下山です。部員の体力や時間を見て、この日のうちに上高地まで下ることにしました。全員元気に下山を果たし、この日の夜は松本駅でビバークをしました。(神田)

6日目 8/6 松本駅~

 青春18きっぷを使って、始発で帰宅しました。

 

 今回の夏合宿は、1年生にとっては初めての長期山行となりましたが、完走することができて本当によかったです。各山頂や道中で見えた景色、また、先輩や同期の頼もしさ、そして部で過ごすことの楽しさなどを忘れないでいてもらえたらなと思います。3年生は、一旦これで大きな区切りがついたこととなります。引退まではもう少しありますが、心より、お疲れさまでした。ありがとうございました。(神田)

槍ヶ岳ふもとにて
槍ヶ岳ふもとにて