夏合宿 ~双六・槍・涸沢・奥穂・前穂高~ 2019.8/1~8/6

1日目(8/1)

 ついに夏合宿が始まりました。槍・穂高組はバスタ新宿に6時半集合しました。眠い目をこすりながらバスに揺られること4時間半、乗り換え地点である平湯温泉が見えてきました。足湯や冷やしキュウリを横目に見つつ、すぐさま路線バスに乗り換え30分ほどでようやく新穂高温泉に到着!波乱万丈な夏合宿のはじまりです。

 新穂高温泉から歩いて、今日の宿であるわさび平小屋を目指します。5時間のバス移動の疲れ、暑さ、緊張や不安もあり、なかなか足取りが進まず、初日から現実を突きつけられました。15時頃に到着し、1年生、2年生が中心となり、ビビンバを作りました。1年生のとても美味しい米と高塚が作ったビビンバの相性は抜群!今までの疲れが吹っ飛んだ気がします。明日からの山行に備え、今日は就寝です。

 

2日目(8/2)

 今日から始まる2・3・4生活。初日から6時間の行動時間に不安を残しつつ、ヘッドライトを装着していざで出発!双六小屋まで目指します。去年の夏合宿で通った人もいるので、懐かしいと感じた人もいるでしょう。すらすらと下山できた去年のコースとは違い、上りだとまあ進まない、本当に進まない(笑)メンタル折られつつ、鏡平山荘、弓折分岐を通過しついに到着。広い!きれい!平らな地面!素晴らしいテント場に一同感動したことでしょう。テントをすぐさま立て、双六岳ピストンへ。急な岩場を登り、だれもが頂上だと思った場所はまさかの偽ピーク(笑)頂上はもう少し先でした。頂上の景色はガスってしまい残念でしたが、ときたま見える鷲羽岳はすばらしかったです。双六岳に別れを告げ、下山している最中、まさかの豪雨に襲われ、全員びしょ濡れになってしまいました。

 暑さと行程の厳しさ、そして突然の豪雨のせいか、体調不良者やメンタルブレイクしている人も見受けられ、”あと4日間どうなるんだろう”という不安を残しつつ、2日目が終わりました。

 

3日目(8/3)

 今日は最初で最後の4・5・6の日。昨日の疲れもあり、ぐっすり寝れた人が多かったようです。天気も昨日の豪雨が嘘のような、申し分ない天気でした。槍ヶ岳山荘でテント泊するために、先発隊を3人出し、見送ってから全隊出発!今日のコースは稜線と西鎌尾根を十分に堪能できるコースでした。きれい!涼しい!そんな稜線にずっといたいと思っていた部員も多いのではないでしょうか。そんな稜線もそう長くは続かず、ちょっぴり危険な西鎌尾根へ。1年生にとって、今までの山行で経験のしたことのないクサリ場の連続で怖かったと思いますが、怖いよりも楽しいが勝っていたように見えました。優秀な後輩で本当に頼もしい限りです。西鎌尾根を無事にクリアし、最後の壁である、千丈乗越から槍ヶ岳山荘へ続く地獄の登りへ。正直、夏合宿の中で1番きつかったと思うほどのレベルでした。くじけながらもみんなで励まし合いました。先発隊が無事にテント場の確保ができたという朗報もあり、やっとの思いで槍ヶ岳山荘へ到着!最初はあんなに遠かった槍ヶ岳が今や目と鼻の先の距離。改めて槍ヶ岳の大きさを感じました。1年生のごはんもおいしく炊けていて、2年生の教育がいいのでは?と思ったりもしました(笑)

 厳しい暑さ、上りのきつさのせいもあり、数名撤退するという形になってしまいました。とても悲しかったですが、その人たちの分まで頑張ろうという意志が残りの部員全員に見られ、いい形で3日目が終わりました。

 

4日目(8/4)

 今日からまた2・3・4生活に逆戻り(笑)早朝に槍ヶ岳をピストンし、横尾山荘まで一気に下りるという割と楽な行程でしたが、まさかあんなことになるとは・・・

 まずは、槍ヶ岳の早朝ピストン。去年登ったことのある人を中心に登っていきました。まだ、日が昇りきっていないのと、曇りだったせいかとても暗く、ちょっぴり怖かったですが、逆にこの怖さをみんな楽しんでいました。はしごやくさりも順調に登っていき、ついに山頂へ到着!到着のタイミングで曇っていた天気も晴れに変わり、ご来光と絶景を見ることができました。今まで頑張ってきてよかったと思うのと同時に、撤退してしまった人たちにも見てもらいたかったという2つの感情でなんだか複雑な気持ちでした。下りも登りと同じく慎重に下っていき、無事に槍ヶ岳を完全制覇することができました。槍ヶ岳に別れを告げ、横尾山荘へ向けて一気に下りていきました。大曲までは急な岩場の下りだったため、足をくじかないように慎重に下っていきましたが、下りは登りとは違い、隊の人とも話す余裕ができるのでとても楽しかったです。その後もずんずん下っていき、あっという間に横尾山荘に到着!近くに流れていて川で遊んだのはとても楽しかったです。全員無事に横尾山荘までは下りることはできましたが、数名が足のケガにより、翌日撤退するという形になってしまいました。怪我した本人たちはとても元気だった分、撤退して欲しいと言うのをとても心苦しそうにしているリーダーの先輩たち、どんな荷物も持つから撤退しないでほしいという後輩思いな先輩たち見て、自分たちも思うことがあり、みんなでたくさん泣きました。ご飯の時にはみんな元の様子に戻り、美味しいお米をいただいて、4日目が終わりました。

 

5日目(8/5)

 今日もまた2・3・4生活。撤退する数名に別れを告げ、穂高岳山荘を目指していざ出発!まずは通過点である涸沢小屋を目標に登っていきました。昨日、下りの楽さを知ってしまった分、ものすごいきつかったです。日差しも強く、どんどん体力が奪われていきました。どうなるかとても不安でしたが、なんとか目標であった涸沢小屋に到着!小屋から見える奥穂高や北穂高に圧倒され、疲れを忘れるくらいテンションが上がりました。また、小屋から見える涸沢ヒュッテも最高の眺めでした。去年の10月山行でそこに泊まったらしく、紅葉がきれいだったと先輩が言っていたので、ぜひ見てみたいものです(笑)涸沢小屋からも急な登りが続いていましたが何とか乗り越え、難所のザイテングラードにやってきました。はじめ見たときは、”こんな急な岩場サブザックじゃないと登れない”と思っていましたが、登ってみると案外楽しく、気付くと穂高岳山荘に到着し、奥穂高岳が目の前にありました。山荘からみる、奥穂高岳は立派で、今回の合宿のラスボスにはふさわしいと思いましたが、その前に涸沢岳をピストンしました。サブザックということもあり、予定よりも早く涸沢岳に到着!そこから見える奥穂や北穂から涸沢岳までのエグイ急登をみることができてよかったです。涸沢岳に別れを告げ、穂高岳山荘に戻り、合宿最後のご飯ご(パスタ)を頂きました。目の前に見える奥穂高というラスボスに備え、5日目が終わりました。

 

6日目(8/6)

 待ちに待った最終日。ようやく2・3・4生活も今日で終わり。なんだか少し寂しい気もしました。ヘッドライトを装着し、ラスボスである奥穂高岳登頂へ向けて出発!暗い中、はしごや急な岩場を登るのは怖かったですが、次第にその怖さにも慣れていき、気付くと全力で楽しんでいました。この日は雲1つない快晴で日の出を頂上で見ることができました。また、頂上から見える大キッレトやジャンダルムのすごさに圧倒され、言葉が出ませんでした。山頂をしっかりと堪能し、次は前穂高岳に向けて出発しました。今回、前穂高岳には時間に余裕のあったA隊しか行けず、全員登ることができなくて残念でした。いつかリベンジしましょう!前穂を通過し、紀美子平から岳沢小屋までの重太郎新道へ。この2時間がまあきつかった(笑)クサリはあるは、はしごもある。おまけに急な下りだったため、精神的にも体力的にも疲れました。重太郎を恨みつつ、なんとか乗り越え天然クーラーまで一気に下りました。ここも予想以上に天然クーラーが遠い(笑)カラー地図のコースタイムを疑うレベルです。精神・体力ボロボロになりながらやっとの思いで天然クーラーに到着!名前だけあって、本当に涼しくて癒されました。ここまで来たら終わったようなもの。最後の力を振り絞り、上高地まで歩いていきました。河童橋が見えたときのあの達成感と充実感は今でも忘れられません。河童橋付近で休憩中、黒部・槍の人たちと奇跡的に上高地で会うことができて、死ぬほどうれしかったです。その後温泉に入り、上高地から新島々駅までバスで行き、新島々駅から電車で帰ろうとしたときに事件は起こりました。なんと、新島々駅から松本駅までの電車がまさかの運休(笑)そのせいでほとんどの人が松本駅でビバークすることになってしまいました・・・(笑)ビバークはビバークで楽しかったので良かったです。

 

最後に

 いろんなハプニングに見舞われたましたが、その分みんなの頑張りが見れた素晴らしい夏合宿だったと思う。今回の槍・穂高ルート参加者21名全員で最後までやり遂げることができず、計画者としてとても悔しいです。しかし、後輩たちを後ろから常に支えてくれた3年生、きつい行程だったにもかかわらず、文句1つも言わずついてきてくれて、毎日美味しいご飯を作ってくれた1年生、つらいときに助けてくれた2年生がいたからこそ、なんとか無事に夏合宿を終えることができたと思っています。本当にありがとうございました。この経験を活かし、これからの部活に励んでいきたいと思います。